社会課題のすべてがある学校というフィールドで、未来の種を蒔く
対話のなかから答えを見つけていく
(こ)僕は現場の先生が解決していく力をつけて欲しいし、自分たちで解決していけるっていう感覚を持ってほしいんですよ。
誰かえらい先生に答えを聞いて解決するんじゃなくて、自分たちで対話の中から答えを見つけるっていう会をやりたかったんですね。だから僕が答えを言うんじゃなくて、ファシリテーションしながら、先生たちが、ああ、こういうことが起きているんだなということに気づいていってほしい。そこにプロセスワークを使っています。
(ふ)プロセスワークでは、紛争地域に行くとか国と国のこともされていますよね。村松さんがパレスチナに行かれたときには、その世界観を話されていて。パレスチナの人たちはいま紛争でいろいろあるけれど、すごく自然体で生きているよとか、研修会でもそういう話がぼんぼん出てくるんです。
そうすると……私のなかでも、目の前の子どもたちの争い、これも内紛だ、戦争だっていう意識になっていく。ここで起きていることは、じつは国対国と一緒だ!っていうふうに世界観がばーと広がっていく。この奥の深さが凄いと思います。
(こ)プロセスワークって、原理が「一次(プロセス)」「二次(プロセス)」「エッジ」しかないので、逆に何にでも応用できるんですよ。
(ふ)だから垣根を越えて対話が深まるんじゃないですかね。
(こ)企業研修に使ってるところもありますし、アート・芸術関係にも使えますし、町おこし・地域おこし、葛藤解決や紛争解決だったりと、どこにでも応用できるんです。
(ふ)村松さんと話していて思うのは、いまの世の中、偏ってませんか、経済的に豊かになればいいって価値観に。でもそれじゃダメなんですよね。お金持ちの人がいろいろ手を使い、ネットワークを使いそれなりの幸せを獲得できるんですが、やっぱりふつうの人がふつうに楽しく暮らせるためのお手伝いができていく、いろんな人がいて支えてくれている、それが大事だと思うんですよね。
例えば医療でも部分的にしか人を見ないことが多いけれどその人の全体を見てほしいし、心身の状態にはその人の生き様も関係している。昔の寺子屋では地域の相談も持ち込まれたけれど、いまの教育現場では何でも区切ろうとするんですよ。はい、これ、外のこと、警察ね。はい、これ、親子のこと、学校とは別ね……と。みんな繋がっているからこそ、これを一緒に考えたときの良くなるエネルギーの大きさ、影響力が違うと思うんですよね。それを信じて、こつこつとやっていくしかないと。村松さんのような方たちがいるっていうのは、世の中、明るいですよ。