タイトル

コーマワークのキー概念より

タイトル

意識状態の多様性

プロセスワークでは、どんな意識状態も意味があると考え、「正常」「異常」と分けられるような明確な区切りとは異なるものとして、連続体としての意識状態をおおまかに、「通常意識」「変性意識」「極限意識」の3つに分けて捉えます。私たちの意識の焦点は誰もがこの連続体上を常に往来していますが、変性または極限意識状態は通常の意識から遠く、記憶に残ることはまれです。

プロセスワークでは、相手を現実(合意のとれた現実)に戻そうとするのではなく、相手の夢のような世界(変性意識状態)に入っていきます。「意識がない」とされる昏睡状態についても、ある種の意識(アウェアネス)を持っているという仮説を立てて関わります。コーマワークは、プロセスワークの中でも、こうした関わりを探求・洗練させ、精神病状態や昏睡状態の人、どのような意識状態であっても、すなわち「誰とでも」関わりを開いていこうとするものです。

死のきわにおいて、十全に生きる準備ができる

アーノルド・ミンデル博士の言葉より。ミンデルはこの言葉を何度も繰り返し紹介しています。コーマという状態とコーマワークの意義を理解するために、とても重要な考え方であり物事の捉え方です。

「死はすべての人にとっての学びのための素晴らしい時間なのだ。(……)死のきわにおいて、人々はこれまでにないほど、十全に生きる準備ができるのである。」
("COMA:Key to Awakening", Shambhala, Boston & London. 邦訳「昏睡状態の人と対話する〜プロセス指向心理学の新たな試み」アーノルド・ミンデル著/藤見幸雄・伊藤雄二郎訳/日本放送出版協会/2002)、P.25より)

死の間際においてこそ、未完了の関係性をやり終えるチャンスとなりえるのです。人によっては、やり残したことをやりきるために昏睡状態から戻って来ることもあります。

フィードバックと第二の注意力

ある情報(シグナル)への反応として返ってくる情報(シグナル)を、フィードバックと呼びます。プロセスワークの場合には特に、ある介入に対する反応を指し、その介入が有効であったか否かを判断する基準としています。

反応するエネルギーが高い、シグナルが自然に大きく強くなるとき、それはポジティブ・フィードバックであるとし、その介入がプロセスにとって有効であると捉えます。 一方、何のエネルギーも感じられない、何も起こらないとき、それはネガティブ・フィードバックとし、その介入のタイミングや経路(チャンネル)、または関わりの在り方(メタスキル)が適切でないと捉えます。

コーマワークにおいては、フィードバックが微細であったり、特有の経路(チェンネル)から発信されたりすることが多いため、第二の注意力(ふだんは意識の周辺にあって気づいていないものごとに注意を向ける意識状態)を用いたトレーニングが鍵となります。