「すべてに意味がある」と「問題の中に答えがある」

プロセスワークが扱うテーマは、夢や身体&精神症状、昏睡状態、アートや創造性、内省、カップルや家族の関係性、組織変革や葛藤ファシリテーション、社会問題、地域紛争や戦争など、一見すると多岐にわたります。しかしそれは、人の営みを大きくつながり合ったネットワーク/システムの中で見れば当然の、すべてつながり合ったテーマなのです。それぞれの要素がお互いに影響しあって変化し続けるこの全体システムの中では、独立して解決できる「問題」は一つもありません。

むしろ、「問題」を「問題」として、あるできごとを自分にとって不快で不都合なものとして排除したり無視したりする私たちの意識状態、感覚や感情、認知や無意識の前提を扱うことが、問題の根本的な解決を導くとプロセスワークでは考えています。
そのため、ものごとをできるだけありのままに観察し、システムをできるだけ全体として意識し、より大きく深い新たな文脈の中でものごとの意味が生まれること、そして起ころうとする自然の変化を止める意識の働きをより深く理解し、必要があれば手放すことを重視するアプローチになっています。また、個別の要素と、要素同士の結びつきが互いにどんな影響を与え合うか、それによって全体がどのように変化していくかに気づいていける力、アウェアネスも大切にしています。

例えば次のような一見ネガティブで希望のない状況であっても、プロセスワークでは起こるべき変化の方向を指し示すポジティブな可能性としてとらえ直します。

  • こころやからだの病気や悩み
  • パートナー間や家族の中の対立や葛藤
  • 仕事や人間関係のトラブル
  • 事故など、思いもかけない障害
  • 組織の中のさまざまな問題:生産性の低下、高い離職率、部門間の対立、世代間ギャップ、ハラスメントなど
  • 社会問題、地域紛争や戦争

むしろ「問題」こそ、これまで私たちが気づきも使いもしてこなかった強いエネルギーの現れであり、その自然の流れに乗って船を自在に操っていけるように、私たち自身が柔軟に流動的になることをめざすのです。そのために、できごとを起こしているシステムの振る舞いを「エネルギー」として直観的感覚的に体感したり、そこに生まれる感情や思いを「ロール」として実際に声に出してやってみます。全体システムのなかのこれまで知らなかった部分を実感していくと、やがてその全体が自分だと感じられる大きな意識状態に至ることができます。すると「問題」は、私たちを思いもかけないところへ運んでくれる豊かなリソースに変わっていくのです。