社会課題のすべてがある学校というフィールドで、未来の種を蒔く

教育現場コンサルテーション古江ひろ子さん×村松康太郎

学校には社会課題のすべてがある

(こ)学校って地域のあらゆることが持ち込まれてきます。学校には全部ある。健康な人もいればそうでない人もいる。様々なお仕事をされている方もいるし、外国にルーツを持つ方もいる。お金持ちもいれば貧乏な人もいれば、病気と呼ばれる人もいればガキ大将もいる…これを全部扱っているのが学校。社会にあるすべての問題が直接的・間接的に持ち込まれてくるところなんです、学校って。

そのなかで先生たちが本当に苦労しながらやっている。ちょっとでもその役に立ちたいっていうのがモチベーションなんですよ。ここの先生たちのように、ちょっとでも良くしたい、そのためには何ができるかなって考えてくださる先生がいる、古江先生みたいな人がいてくれるのが、僕にとっての希望だし、学校に関わる、子どもたちに関わるっていうのは未来に関わることだから、種を蒔ける時に蒔けるだけ蒔きたいと思っているんです。

原因も大事だけど、そうじゃない部分を扱うことでよりよい形になるんだっていう価値観、世界観を持つ人が増えてくれたらいいなあと思いながらやっていて、それをそのまま受け取ってくれている先生がいるっていうのが本当に有難いですね。

(了)

古江ひろ子(写真右)|小学校養護教諭/教育相談コーディネーター
1979(昭和54)年から横浜市の大規模校の小学校で4年間、養護教諭として勤務を開始し、愛川町へ転勤してからは大中小規模校4校で40年間勤務。2002(平成14)年、1年間の派遣プログラムとして横浜国大の養護教諭人材養成(「教育相談」)を履修、2004(平成16)年、JETI教師カウンセラーを取得、2010(平成22年)、JECA教師カウンセラーを取得。
2011(平成23)年から60歳の退職まで、総括教諭養護教諭として学校経営に関わりながら勤務。1993(平成5)年からは教育相談を担当、2009(平成21)年より教育相談コーディネーターとなる。
養護教諭として「一人ひとりが大切にされる保健室」をめざしてきました。また教育相談として「ありのままを受けとめ、その子がどうしたいか寄り添いながら意思決定を応援していく」ことを心がけています。

村松康太郎(写真左)|スクールカウンセラー/臨床心理士+認定プロセスワーカー
大学を卒業後、当時はまだ珍しかった、心理学の教授が主催するフリースクール(学校に行けなくなった子どもたちのための居場所)のスタッフとして働きはじめる。教育相談所やカウンセリングセンターなどで経験を積みながら、社会人大学院に進学。2001年に臨床心理士となり、兵庫県のスクールカウンセラーとして5つの中学校を担当。2004年頃、「人も地球も全体として存在し続けるためにはどうしたら良いのか」という問いのもと、パーマカルチャーとプロセスワークを学び始め、勢い余って関東に転居。神奈川県と山梨県で複数の学校でスクールカウンセリングをしながら、パーマカルチャーとプロセスワークのプログラムで正式にトレーニングを受けた。2014年にプロセスワークのトレーニング・プログラムを修了。正式に認定プロセスワーク・ディプロマとなり、現在は日本プロセスワークセンターでファカルティ(講師/トレーナー)としても勤務している。

 

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